かつて「獺祭」の旭酒造で修行し、「花の香」というフルーティな銘柄で人気を博した熊本県・花の香酒造。コロナ禍を期にその銘柄の特約店をすべて解約し、心機一転立ち上げた新ブランド「産土(うぶすな)」についてお話をお聞きしました。
ラベルに特定名称を書く代わりに“壁画”風のアイコンでそのお酒の特性を示したり、文献にしか残っていなかった絶滅種の酒米を復活させたり、馬耕栽培を志したりと、現代の酒蔵とは一線を画した“自然回帰”の酒造りを徹底しておこなう酒蔵さん。
お酒を造っているのは微生物であり、自然に敬意を持たなければならない。これはわたしのお師匠さんである地酒みゆきや・的場さんもおっしゃっていたことですが、この業界で取材をしていると、ときどきこの道を極めていらっしゃる方に巡り合ってハッとさせられます。
造ることで自然が豊かになる日本酒の、これからの展開が楽しみです。