ワインになるのか、ビールになるのか──アメリカの酒文化に学ぶSAKEの未来

SAKE Streetという日本酒/SAKEメディアにて、「アメリカの酒文化に学ぶSAKEの未来」という前後編の記事を寄稿させていただきました。

前編は、アメリカでSAKEを造るクラフト・ブルワリーが増えている背景と、アメリカSAKEの未来について。「アメリカSAKE、クオリティ的にはまだまだ日本に敵わないかもしれないけど、ビジネス面では超優れてるし、甘く見てるとすぐ追い抜かされちゃいますぜ(意訳)」みたいな話をしています。

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穏やかな非日常の中で──ロックダウンするアメリカ、SAKEのこれから

日常が裏返る経験を、人生で何度かしている。
すさまじい揺れと、母親の叫び声とともに目を覚ました小学校進学手前、1995年の冬。黒い波が逃げ惑う車を飲み込んでゆくのを茫然と見つめていた大学卒業目前、2011年の春、etc。
大きな地響きとともに裏返されたそれらに比べれば、今回はずいぶんぬるぬると色を変えていった。ぱたぱたと倒れてゆくドミノが、上から見おろすと何かの絵を浮かび上がらせるみたいに。

いま、わたしたちは静かな非日常の中にいる。

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誰か、早くここへ来てくれないか━━日本酒づくり新規参入への提言

空と砂しかない世界だった。フロントガラスが映す果てしない砂漠を眺めながら、運転席に座る櫻井さんは、「わざわざこんなところまで、すみません」と苦笑いした。
「超興奮しています」、わたしは応える。「こんなところでSAKEが造られている、それは希望でしかない」と。

米アリゾナ州、人口たった5000人の町ホルブルックでArizona Sakeを営む櫻井厚夫さんのもとを訪れた矢先のことだった。一泊二日の弾丸旅行から帰り、長距離移動の倦怠感にどこか心地よさすら覚えながら、布団に潜ろうとしていたとき、Twitterのタイムラインに下記のニュースが流れてきた。

「日本酒づくり、新規参入を許可へ 輸出向け特化 政府が酒税法改正へ」

ついに、このときが来た!

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カネとナカタと日本酒と 〜その愛が、酒を殺してしまわぬように〜

中田英寿が話題である。日本酒ファンのあいだで。
この記事が公表されてからのことだ。

元サッカー日本代表・中田英寿氏は現在、日本酒を世界に発信すべく、さまざまな取り組みをおこなっている。
そのプロジェクトの中で、彼がプロデュースしたオーダーメイド冷蔵庫「MIYABINO」。
これが297万5000円(組子オプション付360万円)と高額であるがゆえ、ある一定数のひとびとの気持ちに火がついてしまった。
簡単に言えば、「中田氏は日本酒を使ってお金を儲けようとしているのではないのか?」と疑ってしまっている、ということだ。

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日本酒は誰のもの〜SAKEは「日本酒」を名乗れない!?〜

先日、サンフランシスコで開催されたとある日本酒のプロモーションイベントのお手伝いをしてきた。

会場には、日本からこの日のために渡米した酒造や、アメリカ国内に拠点を持つメーカーが、ブースを構えていた。

そんな中で、こんな会話を耳にした。

「最近は、アメリカでも日本酒の酒造が増えてきているみたいですね」

「ええ。でも、彼らは『日本酒』を名乗れませんから

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日本酒、ジャケ買いしづらい問題

ジャケ買いという言葉がある。

「ジャケット買い」、つまりCDや本などの中身を知らないまま、ジャケット(パッケージ)の印象で選ぶ、という買い方のことだ。

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日本に住んでいたころ、東京でとあるバーのマネジメントを担当し、そこで扱うお酒をセレクトしていた。

日本酒も扱っていたけれど、お店の立地やコンセプトから、メインのお酒はウイスキーを中心とした洋酒だった。(資格を持っているのは日本酒だけだけれど、ウイスキーも同じくらい好きです)

そのときにお世話になっていたのが、大好きな酒販店のひとつ、田中屋(@東京・目白)だ。

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アメリカで 日本酒ぜんぜん 流行ってない【今日の一句】

えらい人たちに怒られてしまうのかもしれない、と思って、いままで書かなかったことがある。米国ロサンゼルスに来て約10ヵ月になるけれど、そろそろいいかぁ、と思うようになってきた。自分が嫌われることよりももっと大切なことがあるんじゃあないか、とも、これくらいで嫌われるならそれはそれで自分以外のものがやばいんじゃないか、とも。

怒られそうなこと、ひとつ目。

アメリカで日本酒はぜんぜん流行っていない。

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