世界的なワインコンテスト「IWC 2023」SAKE部門のトロフィー受賞酒を飲み比べ!—世界が認めた日本酒の味わいとは?

役得ですねえ。レビューのために、IWC(International Wine Challenge) 2023のトロフィー酒9種類を飲み比べさせていただきました。

同コンテストの共同議長であり我がサンフランシスコ時代のボスであるTrue Sake社長・Beau Timkenが「IWCはそのカテゴリーらしさを評価している」と話していましたが、確かに飲んでみるといずれも「純米大吟醸らしさ」「スパークリングらしさ」「普通酒らしさ」というところを評価されているのかなと思いました。

個性豊かで、飲むといろいろな話がしたくなる。そんなお酒が評価されるのは、多様性が認められる海外市場のコンテストならではかもしれませんね。

【インバウンド向け】これを覚えておけば安心! 英語で日本酒を説明するための実用表現集

日本を訪れる外国人観光客の足が戻ってきている感じがしますね。コロナ禍の諸制限もなくなり、海外に行きたい人にとっては辛い円安が続きますが、日本を訪れるにはこれとないチャンスでしょう。

しかし、オリンピックが開催されると決まっていたころは準備に張り切っていた日本も、数年におよぶプチ鎖国を経て、最近はインバウンド客の扱いに不慣れな様子も見られます。そんなわけで、酒屋さんや酒蔵さん向けに書いた記事がこちらです。

【インバウンド向け】これを覚えておけば安心! 英語で日本酒を説明するための実用表現集

酒ストで好評の英語で日本酒を説明するための実用表現シリーズの一環として、インバウンドのシチュエーションに特化した解説をしています。見どころは、アメリカ-日本間で一本の瓶も割らずに移動しているわたくしの梱包術(笑)。実用英会話と合わせてぜひチェックしてみてください!

この場所でなければ造れない日本酒を目指して—「IWC 2023」にてチャンピオン・サケに輝いた「十六代九郎右衛門」

ワイン界での影響力あるコンテストであり、日本酒においてもいまや重要な指標となっている「IWC」ことInternational Wine Challenge。今年は、わたしの大好きな酒蔵さんが栄えあるトップ賞に輝いて感無量です。

長野県で「十六代九郎右衛門」「木曽路」を造る湯川酒造店。ここは、奥様の尚子さんが蔵元であり、旦那さまの慎一さんが杜氏を務めています。お二方のどちらもとってもカッコよく、お話を聞いているとまさに「新しい酒蔵!」とワクワクさせられます。

まだまだ旧体制が多い日本酒の製造現場ですが、まさに経営と製造の二人三脚に成功しているお二方だからこそ勝ち取れたのではないかと思わされる今回のチャンピオンサケ。ぜひその軌跡を辿ってみてください!

フロアとお湯を沸かす! 熱燗DJ つけたろうさんの“個性なき”燗つけメソッド

SAKE Streetにて、超個性的な熱燗DJつけたろうさんの「個性なき」燗つけメソッドについてインタビューしました。

……そうしたら、つけたろうさんがブログにてわたくしの個人サイトのリンクを貼ってくださったので、慌てて4月から更新していなかったブログ(という名の仕事報告)をまとめて更新しました笑

記事はこちらです↓

フロアとお湯を沸かす! 熱燗DJ つけたろうさんの“個性なき”燗つけメソッド

つけたろうさん、稲とアガベとか、土田とか、わたしの好きな酒蔵さんの視界の端にチラチラ入るなぁ……(言い方)と思っていたのですが、お話したのは去年の秋ごろが初めて。お名前からもっとイケイケのお兄さんだと思っていたので、今回のインタビューをしていて、お酒にも人間にも優しさを忘れず、真剣に向き合うお兄さんなんだなぁということがわかりました。熱燗DJ、もとい熱燗部長。

つけたろうさんといえば、最近コラボしたお酒が美味しすぎて、こんなnoteを書きましたので、よければ合わせてこちらもご覧ください。

クラフトサケの価値創造:日本酒の亜種ではなく、救世主として

特集「日本酒デザインの模倣を考える」──日本酒のパクリについて本気出してみた

SAKE Streetにて、特集「日本酒デザインの模倣を考える」前後編を執筆しました。

前編は、「パクリって何? そもそも、パクリっていけないことなの?」という話。2冊の書籍と、弁護士さんへのインタビューを題材にまとめています。

後編は、真似されることの多いラグジュアリー日本酒ブランドSAKE HUNDREDの代表・生駒龍史さんにインタビューしております。

今回の特集を担当して思ったのは、わたしも模倣問題についてちゃんと理解していなかったなぁということ。仕事柄、著作権や肖像権などの理解はしていたつもりだったんですが、日本酒の模倣となると、商標権や不正競争防止法などの観点が絡んできて、それぞれまったく違うんですよね。そして、パクられた側が損をすることがやはり多い。

生駒さんは以前からお世話になっている方ですが、自社の利益に対する主張をするのではなく、業界全体を考えた視座の高すぎる提言をされていて、お話を聞きながら気が引き締まりました。生駒さんが日本酒業界にいてくれることの心強さよ。

ドラゴンボールネタ、カットしようかと思いつつ、「生駒さんの良さが伝わるし」と思って入れたんですが、むしろご本人から「もっと詳しく書いた方がいいんじゃない?」と言われて、リスペクトが増しました。

「チャンピオン・サケ」の受賞が地域の未来を変えた─歴代の受賞酒蔵に聞いた「IWC SAKE部門」の影響力

世界的ワインコンテストであり、日本酒部門を持つ「International Wine Challenge」。過去の受賞蔵である「鍋島」の富久千代酒造さん、「会津ほまれ」のほまれ酒造さんにインタビューしました。

世界中にどんどん日本酒関係のコンテストが増えてきており、「それより酒屋が増えてほしい」と正直思っているわたくしですが、IWCはやっぱりすごいコンペティションだと思います。受賞する酒蔵を見ても、「そう来たかー!」という楽しみがある。海外に進出することによって日本酒の可能性が開けるってこういうことですよね。

鍋島と会津ほまれのお話を聞いて感心したのは、この賞が受賞した酒蔵さんだけではなく、地域に活気を与えてくれるということ。佐賀の日本酒もいまや人気が高まっていますし、福島にとって、日本酒は地域を引っ張ってくれるリーダー的な存在なんだなと思います。

ニューヨークの新しいSAKE醸造所に日本の若手醸造家が抜擢—アメリカでの酒造りにかける思いとは

アメリカにまた新しい酒蔵ができるそうです。立ち上げたのはアメリカ人。醸造家は日本人。いい感じに日米ハイブリッドが進んでいますね。

創設者のダッチさんは、もともとKato Sake Worksの加藤忍さんと酒蔵をやろうとしていて、その共同経営者のジョージ・ウィードさんは、某別の酒蔵の発起人と一度酒蔵をやろうとしていて……と、アメリカサケオタク(自分以外に存在を知らない)的にはなかなかホットな背景に基づいた酒蔵です。しかも、醸造家のお二人を紹介したのはもともと米国月桂冠で杜氏だった現SAKE HUNDREDの河瀬さん。

この話、楽しいのたぶん自分だけなんだろうな……笑

獺祭Blueも立ち上げられ、ますますSAKE色が強まっていくニューヨーク州。多種多様な酒蔵がどんな文化を生み出してくれるのか、ワクワクが止まりません。早く飲みたい!

「日本酒には夢がある」 – 世界最大級の日本酒レビューサイト SAKETIME運営企業会長・吉田和司さんインタビュー

SAKETIMESではなく、SAKETIME。

そして掲載メディアはSAKE Street。

世界最大級の日本酒レビューサイト「SAKETIME」ほか、日本酒のコンサルティング事業に携わる吉田和司さんのインタビューが公開されました。

「日本酒には夢がある」 – 世界最大級の日本酒レビューサイト SAKETIME運営企業会長・吉田和司さんインタビュー

日本酒が売れそうだからとかではなく、業界が下火に差し掛かったときに、「助けなくちゃ」という想いで事業を始めた吉田さん。現在、SAKETIMEの社長はドイツ出身のマース・フィリップさんにバトンタッチしたそうで、国際的な視点を持った同プロジェクトがどうなっていくのか、今後が楽しみすぎます!

フルーツやハーブが引き出す、新しいSAKEの楽しみ方 – 福岡県・LIBROM Craft Sake Brewery

SAKE Streetにて、2月に福岡へ行ったときにおうかがいしたLIBROMさんのインタビュー記事が公開されました。

フルーツやハーブが引き出す、新しいSAKEの楽しみ方 – 福岡県・LIBROM Craft Sake Brewery

LIBROMさんは、以前SAKETIMESでも取材させていただいたことがあります。そのときに比べて日本での知名度もかなり上がったのに、いまだに「イタリアへ行く!」という熱い想いを揺るがさない柳生さんのお話を聞いていてうれしくなりました。

副原料の良さと、日本酒の良さの両方を兼ね備えた見事な味わいを奏でるLIBROM。そのバランス感覚の秘密についてもお聞きしていますよ!

「上辺だけ」にならないために。価値観の変化に向き合う、本質的な取り組みとは? – 日本酒とSDGs

日本酒に関連する企業もまた、SDGsを謳うようになってきています。一方、世界では企業のイメージ戦略としての取り組みが「グリーンウォッシュ」として批判されるなど、上辺だけに留まらない活動への見直しが進んでいます。

日本酒が、世界的な飲み物、社会に必要とされる持続可能な飲み物になっていくために、SDGsとどう向き合うべきなのか? SAKE Streetで、17のゴールを「自然・環境」、「健康・安全」、「働きがい・平等」、「その他」の4つに分類し、それぞれに日本酒が関わる可能性を分析しました。

前編:「上辺だけ」にならないために。価値観の変化に向き合う、本質的な取り組みとは? – 日本酒とSDGs (1/2)

後編:日本酒が必要な産業となるための社会貢献とは? – 日本酒とSDGs (2/2)

わたし自身、これまで酒蔵さんなどが「SDGsに取り組む」と聞いても抽象的なイメージしか湧かず、実際の取り組みへの評価がしづらかったのですが、今回の特集で17のゴールの定義を解読しながら日本酒にどうひもづけられるのじっくり考察したことで、しっかり評価軸を持つことができたように思います。

気になっているけど何から始めていいかわからないという人や、自分のやっている取り組みを見直したい人などの参考として、必要なときに繰り返し読まれてほしい記事です。