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新潟大学 博士前期課程 日本酒学コースに入学しました

合格発表のあった10月にnoteを書いて満足してしまっていたのですが、今春より、新潟大学の博士前期課程にて日本酒の研究を始めます。

リンク:「新潟大学の博士課程で日本酒を研究します(note)」

なぜいまさら学生になり、研究をおこなうのか? なぜ、新潟大学なのか? などは上記の記事にまとまっていますので、ぜひお読みいただければ幸いです。

とはいえ、日本酒学コースはほとんどの授業をオンラインで開講してくれるため、東京にいながらリモート受講することができます。社会人学生なので、引き続きジャーナリストや編集者としてのお仕事は続けていく予定。ただ、ときどき実習などがあるため、現地に行く必要も出てくるようです(直近だと、7月いっぱいは新潟にいます)。

お仕事でお世話になっているみなさまには極力ご迷惑をおかけないようにしつつ、しばらくは学問最優先で全力を尽くしていきたいと思います。

日本酒から、クラフトサケへ。愛する酒造りへの再挑戦 – 平六醸造 代表・平井佑樹さん

菊の司酒造の元・蔵元である平井佑樹さんが、登録文化財である「日詰平井邸」に醸造所を立ち上げ、新しいお酒造りに挑戦します。1月下旬に岩手県を訪れ(岩手は初訪問でした)、実際に日詰平井邸にお邪魔しながら、酒造りにかける想いやこれからのプロジェクトをお聞きしました。

わたしは個人的に平井さんの造るお酒が大好きなので、また飲めるということがうれしいですし、国内向けの清酒製造免許が新規に発行されないために生まれたジャンルである「クラフトサケ」が、酒蔵を失った元・蔵元の選択肢にもなるというのは、業界にとっても大きな意味のあることだと感じています。

そんな境目がいつかなくなる未来のために。分岐点にいる平井さんの物語を、ぜひご覧ください。

島内唯一の酒蔵が棚田の復活を目指して—小豆島酒造が新しい日本酒で届けたい小豆島の魅力

SAKETIMESにて、香川県・小豆島の小豆島酒造さん(元・森國酒造)を取材しました。ご一緒したのは、わたしが運営するオンラインサロン「Starter」でも一緒に運営をしているタレントの児玉アメリア彩さんです。

小豆島、小学生以来に訪れましたが、生活の場所としても、観光地としてもしっかりまとまっていて良い場所だなと感じました。Iターンしたくなる人が多いのもわかる。

もともと大手酒造メーカーにいたというベテラン杜氏の金子さんが、楽しそうにお酒造りをされているのが印象的でした。このブログを後日まとめてつけていることがバレてしまうのですが(笑)、SAKE Streetでも月桂冠OBの方々が取り組む「夢酒蔵」というプロジェクトを記事化しています。
大手酒造でセクションごとの仕事をしていた方々が小さな酒蔵で手作りすることの楽しそうさときたら。老後の楽しみにわたしもお酒造りをしたいので、それまでには自家醸造が解禁されてほしいものです。

A Sake Brewery to Save the Vanishing Rural: Ine to Agave

I contributed a series of two articles on Ine to Agave, one of the trendiest breweries in Japan right now.

Shuhei Okazumi is a culinary hero who save the rural area through brewing and other ferments. The first tells his story, the second about vegan mayo, which will be distributed in the US too.

I’m honored to tell the story of one of the hottest entrepreneurs and brewers in English!

あたらしいオフフレーバーのはなし(4)-1 ペアリングにおける日本酒オフフレーバーの可能性

SAKE Streetのオフフレーバーシリーズもいよいよクライマックス。第4弾「これからのオフフレーバーの話をしよう」は、前後編に分けてお届けします。

前編のテーマは「ペアリング」。料理との組み合わせについて、東京・恵比寿の日本酒&フレンチレストラン「MAEN Sake Pairing Restaurant」の御子柴さん、大塚の酒販店「地酒屋こだま」の児玉さんに対談していただきました。

https://sakestreet.com/ja/media/new-off-flavour-of-japanese-sake-4

MAENは個人的にも大好きなお店で、日本酒に詳しくない人も含め、友人を連れて行きまくっております。御子柴さんはお酒担当なんですが、お料理担当の井戸さんとのコンビネーションが絶妙なんですよね。

地酒屋こだまは酒屋さんなのですが、ラインナップがマニアックなだけではなく、児玉さんご自身で“チューニング”したお酒もあるというかなりディープなお店です。

まさに最先端の日本酒の楽しみ方を提示してくれたお二人。名言たっぷりの必読記事です!

カリフォルニアの米と水でテロワールを実現する。次世代へつなぐアメリカのSAKE造り

米サンフランシスコで、日本生まれの奥さん&アメリカ生まれの旦那さんが2015年に立ち上げたサケ醸造所・Sequoia Sake(セコイヤ・サケ)。わたしがアメリカにいたころ、部屋をお借りしていたご縁もありつつ、お酒の味が美味しく、考え方も尊敬していることから、ずっと応援している酒蔵です。

なんと、そのSequoia Sakeが、旧ネスレ・ウォーターズとコラボレーション。カリフォルニアの湧水を使った酒造りをおこなうことになりました。

https://sakestreet.com/ja/media/sakagura-sequoia-sake-california-us-2

このプロジェクトの何がすごいって、サンフランシスコの居酒屋でSequoia Sakeに惚れたネスレ側の担当者から声をかけたっていうことなんですよね。

Sequoia Sakeは、カリフォルニア大学デイビス校と共同研究のうえ、日本の酒米のDNAを復活させるなど、アメリカの文脈でSAKEの文化を構築することに尽力しています。さらに、アメリカの酒蔵で唯一“二代目”が登場しているのも注目に値します。

American Sakeはこれからどうなっていくのか。彼らのおかげで、ずっとワクワクし続けています。

あたらしいオフフレーバーのはなし(4)-2 海外で日本酒のオフフレーバーはどう捉えられているのか?

SAKE Streetのオフフレーバー特集もいよいよ最終回。最後のテーマは、「海外流通」です。

わたしがサンフランシスコに住んでいたころ一緒にTrue Sakeという日本酒専門店で販売をしていたマネージャーのMeiと、ワインのプロフェッショナルでもあるKJに、アメリカにおける日本酒の味わいの変化と捉え方について話してもらいました。

https://sakestreet.com/ja/media/new-off-flavour-of-japanese-sake-4-2

国内での消費が減り続ける一方で、海外輸出は数量・金額ともに毎年ぐんぐん伸長しています。世界で愛され始めている“SAKE”ですが、海外に輸送するうえで問題となるのが、品質の劣化です。これを防ぐために、輸送時&保管時の冷蔵設備を整える必要が謳われていますが、まだまだニッチな飲み物である日本酒のために、すべての流通業者や販売業者に必要な知識を提供し、機材の導入といったコストを要求するのはなかなかハードルが高いのが現実です。

アメリカで実際にお酒を飲んでいた立場としては、品質の劣化を引き起こさないための手段は、冷蔵保管に留まらないと思っています。

わたしがSAKEのジャーナリストになったのは、貧乏学生だったUCLAの留学時代、大好きなお酒を飲むために1本ウン十ドルというお金を払って日本酒を買ったところ、ことごとく老ねていた、という経験がきっかけでした。

日本酒が届いたあと、海外の国々ではどんなことが起きているのか。もっとたくさんの人にSAKEが愛される未来のために、それを伝えることが、自分の役割だと思っています。

井村屋の日本酒「福和蔵」がついに東京進出!取り扱いを決めた理由を酒販店に聞いてみました

SAKETIMESにて、あずきバーでおなじみ井村屋さんの日本酒ブランド「福和蔵」のPR記事を執筆させていただきました。

都内4軒の酒販店を1日で回ったのですが、楽しかった〜! 井村屋さんって、食品の流通網はあるはずなので卸業者さんに頼りそうなものですが、営業さんが地道に一軒一軒回って取り扱いをお願いしたのだとか。

四者四様に魅力を語ってくださっていますが、みなさん共通して「美味しい!」と太鼓判。あずきバーだけじゃない井村屋の魅力にぜひ触れてみてください。

Tasting Session: How to Spread Japanese Fermented Foods to the World?

Last October, American food professionals visited fermented food producers for the “Hakko Tourism in Japan” tour campaign.

I contributed a report on a tasting session where guests gave candid advice from the perspective of the American market to food product manufacturers looking to enter the United States market.

Most Japanese manufacturers used to enter the U.S. through Japanese importers and distributors, but this does not reach local people. This event gave them views on how local people perceive Japanese products in straightforward and candid terms.

SAKETIMESの人気記事トップ10

お世話になっているSAKETIMESさんの2022年人気記事トップ10が発表されました。

なんと、10本中6本がわたしが執筆させていただいたもの。おもしろい企画にお声がけくださっている編集者さんのおかげとはいえ、とても誇らしいし気が引き締まりますね。

  • 9位:「清酒製造免許の新規発行が認められる未来を目指す」稲とアガベ醸造所・岡住修兵さんインタビュー
  • 8位:“マイクロ酒蔵モデル”で新規参入の波をつくる—新潟県の新たな醸造所「LAGOON BREWERY」田中洋介さんの決意
  • 7位:“真の地酒”がもつ「産土(うぶすな)」の哲学が人間と自然の未来をつくる—花の香酒造(熊本県)が新ブランドで示した覚悟
  • 5位:「この蔵を大きな船だと思っているんです」─「ドン ペリニヨン」の元醸造最高責任者が富山県白岩に新設した”大きな一枚屋根の酒蔵”
  • 3位:日本酒業界の商慣習「桶買い・桶売り」は本当に悪なのか?―「剣菱」と「楽の世」の関係性からみえたパートナーシップ
  • 2位:個性の追求こそが、日本酒が生き延びる道—新政酒造・佐藤祐輔さんロングインタビュー

お酒の取材はどれもワクワクするものばかりで、お話を聞きながら自分が感じたことを、読む人にも体験してもらえるようにと思いながら書いています。これからもたくさんのストーリーを伝えられるよう、ますます邁進していきます!