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あたらしいオフフレーバーのはなし(4)-2 海外で日本酒のオフフレーバーはどう捉えられているのか?

SAKE Streetのオフフレーバー特集もいよいよ最終回。最後のテーマは、「海外流通」です。

わたしがサンフランシスコに住んでいたころ一緒にTrue Sakeという日本酒専門店で販売をしていたマネージャーのMeiと、ワインのプロフェッショナルでもあるKJに、アメリカにおける日本酒の味わいの変化と捉え方について話してもらいました。

https://sakestreet.com/ja/media/new-off-flavour-of-japanese-sake-4-2

国内での消費が減り続ける一方で、海外輸出は数量・金額ともに毎年ぐんぐん伸長しています。世界で愛され始めている“SAKE”ですが、海外に輸送するうえで問題となるのが、品質の劣化です。これを防ぐために、輸送時&保管時の冷蔵設備を整える必要が謳われていますが、まだまだニッチな飲み物である日本酒のために、すべての流通業者や販売業者に必要な知識を提供し、機材の導入といったコストを要求するのはなかなかハードルが高いのが現実です。

アメリカで実際にお酒を飲んでいた立場としては、品質の劣化を引き起こさないための手段は、冷蔵保管に留まらないと思っています。

わたしがSAKEのジャーナリストになったのは、貧乏学生だったUCLAの留学時代、大好きなお酒を飲むために1本ウン十ドルというお金を払って日本酒を買ったところ、ことごとく老ねていた、という経験がきっかけでした。

日本酒が届いたあと、海外の国々ではどんなことが起きているのか。もっとたくさんの人にSAKEが愛される未来のために、それを伝えることが、自分の役割だと思っています。

井村屋の日本酒「福和蔵」がついに東京進出!取り扱いを決めた理由を酒販店に聞いてみました

SAKETIMESにて、あずきバーでおなじみ井村屋さんの日本酒ブランド「福和蔵」のPR記事を執筆させていただきました。

都内4軒の酒販店を1日で回ったのですが、楽しかった〜! 井村屋さんって、食品の流通網はあるはずなので卸業者さんに頼りそうなものですが、営業さんが地道に一軒一軒回って取り扱いをお願いしたのだとか。

四者四様に魅力を語ってくださっていますが、みなさん共通して「美味しい!」と太鼓判。あずきバーだけじゃない井村屋の魅力にぜひ触れてみてください。

Tasting Session: How to Spread Japanese Fermented Foods to the World?

Last October, American food professionals visited fermented food producers for the “Hakko Tourism in Japan” tour campaign.

I contributed a report on a tasting session where guests gave candid advice from the perspective of the American market to food product manufacturers looking to enter the United States market.

Most Japanese manufacturers used to enter the U.S. through Japanese importers and distributors, but this does not reach local people. This event gave them views on how local people perceive Japanese products in straightforward and candid terms.

SAKETIMESの人気記事トップ10

お世話になっているSAKETIMESさんの2022年人気記事トップ10が発表されました。

なんと、10本中6本がわたしが執筆させていただいたもの。おもしろい企画にお声がけくださっている編集者さんのおかげとはいえ、とても誇らしいし気が引き締まりますね。

  • 9位:「清酒製造免許の新規発行が認められる未来を目指す」稲とアガベ醸造所・岡住修兵さんインタビュー
  • 8位:“マイクロ酒蔵モデル”で新規参入の波をつくる—新潟県の新たな醸造所「LAGOON BREWERY」田中洋介さんの決意
  • 7位:“真の地酒”がもつ「産土(うぶすな)」の哲学が人間と自然の未来をつくる—花の香酒造(熊本県)が新ブランドで示した覚悟
  • 5位:「この蔵を大きな船だと思っているんです」─「ドン ペリニヨン」の元醸造最高責任者が富山県白岩に新設した”大きな一枚屋根の酒蔵”
  • 3位:日本酒業界の商慣習「桶買い・桶売り」は本当に悪なのか?―「剣菱」と「楽の世」の関係性からみえたパートナーシップ
  • 2位:個性の追求こそが、日本酒が生き延びる道—新政酒造・佐藤祐輔さんロングインタビュー

お酒の取材はどれもワクワクするものばかりで、お話を聞きながら自分が感じたことを、読む人にも体験してもらえるようにと思いながら書いています。これからもたくさんのストーリーを伝えられるよう、ますます邁進していきます!

「Roomie」で取材していただきました

「Roomie」さんにて、「日本酒の甘口ってなに?」というテーマで取材をしていただきました。

『甘酸っぱい系』がトレンド。プロが教える今飲むべき甘口日本酒13銘柄

甘口を説明するとき、専門メディアでは「日本酒度」という専門用語を使うのですが、今回の記事ではその言葉を使わずわかりやすく伝えることを意識しています。いまトレンドの甘酸っぱいお酒、ぜひ参考にしてみてください!

ビール&ワインと日本酒のオフフレーバーの違いは? – あたらしいオフフレーバーのはなし(3)

SAKE Streetの連載「あたらしいオフフレーバーのはなし」第3弾では、世界的な醸造酒であるビール&ワインと日本酒のオフフレーバーの違いについて書いています。

https://sakestreet.com/ja/media/new-off-flavour-of-japanese-sake-3

ビールは長谷川小二郎さん、ワインはNagiさんにお話を聞いたのですが、ご知見の深いお二人へのインタビューとあってディープなゾーンまで行きすぎて、「これ、一本の記事にまとめられるのかな?」と良い意味で不安になるほど。

日本酒は海外進出が進むにあたって同じ醸造酒であるビールやワインを意識させられることが多いのですが、オフフレーバーを通してそのヒントを得たように思います。オフフレーバーってただ味わいの話ではなくて、お酒の本質に関わるようなトピックなんだなぁ。

センスがなくてもおしゃれに飲みたい!プロが日本酒の家飲み写真の撮り方をアドバイス

お酒の写真を撮るのは得意ですか? わたしは超苦手です。酔ったときの飲み写真をシラフになってから見返すと、「なんでそれでいいと思った?」みたいなセンス皆無の怪作がフォルダにひしめいています。

わたしのような酒飲みを救うべく、日本酒専門メディア・SAKE Streetさんが「#家飲み写真ヘタクソ選手権」を開催。栄えある優勝者のお宅にお伺いし、フードコーディネーターがアドバイスするという企画をおこないました。こちらのライティング、わたくしが担当しております。

https://sakestreet.com/ja/media/how-to-take-insta-worthy-photos-of-sake

いつもの記事がフォーマルなら、オフィスカジュアルくらいのポップなノリで書いています。プロのテクニックをサクサクっと学んで、いい思い出を素敵なかたちで残していただければと思います。

Sustainability and “Sake Kasu”, a By-Product of Sake

I wrote about sake kasu, a by-product of sake that is often discarded despite its high nutritional and flavor value.

Not only basic information, but also new corporate initiatives are summarized in this series. Read on for the latest info about sake kasu!

日経産業新聞にコメントが掲載されました

11月21日付の日経産業新聞の記事「新興が醸す『クラフトサケ』」に、アメリカのSAKE醸造所の動きについてコメントしております。

ウェブではこちらから読めるようです:
日本酒を「クラフトサケ」に スタートアップが新発想

これは10月に東京で行われた「猩猩宴」をメインとした記事なのですが、クラフトサケや海外SAKEが一般的な方に認知される機会を得られるというのはとてもうれしいことですね! これからも専門媒体に限らず、こうした新しい動きについて発信する機会をつかんでいければと思います。

日本酒のオフフレーバーはどう変化してきたのか – あたらしいオフフレーバーのはなし(2) 2つの酒蔵が語る過去と現在

SAKE Streetのオフフレーバー連載第2弾は、造り手が見るオフフレーバーの変遷。オフフレーバーという概念のない500年前から変わらない味を作り続ける兵庫県・剣菱酒造と、数年前に杜氏制を廃止し、チームでの酒造りをおこなう中で、新しい味わいにチャレンジする福岡県・山の壽酒造にそれぞれの考え方をお聞きしました。

https://sakestreet.com/ja/media/new-off-flavour-of-japanese-sake-2

<弊社では、熱によるメイラード反応を重視しています。DMTSは、微量に感じられる程度であれば、カレーのようなスパイシーなニュアンスになります。メイラード反応によるカラメル系の香りを加えることで、DMTSの香りのバランスを取ればいいんです>

<山廃の酒母で発酵を旺盛に進めることで酸を多く出し、強い麹によってお米をとことん糖化、強い酵母でそれを食い切らせるというやり方です。これによって、エステル結合とメイラード反応が起こりやすくなります>

カッコイイデスネ……

山の壽さんの「いろいろなものを外部から持ってこられる時代だからこそ、自分たちにしかないもの、外には持っていけないものを財産にしていく必要がある」も、至言です。

名言だらけのインタビュー。ぜひぜひ楽しんでご覧ください。